中学に入り点数が伸びるのが楽しくて勉強を続けて行く中で、特に点数が良かったのはやはり英語でした。普段はテスト前しか勉強をしなかった他の教科と異なり、毎週決まって1時間勉強時間を取れていたことが勝因だったのだろうと思います。何も特別なことをしていたわけではありません。毎週1時間、その週にやった教科書の内容の復習をしていただけです。
3年生の時、英語のスピーチコンテストがありました。代表を決める選考会に英語が得意な生徒が7~8人名乗りを上げ、もちろん私も出ました。しかしながら選考会に出てきた面々は、小学生の頃から英会話に通い英語の発音が良い子や、英語だけでなくすべての教科で学年1位を取っていた子、総合順位ではいつも私の上位にいた子たち数人など、いくら英語が得意とは言っても私が選ばれるには難しい状況なのは明らかでした。
選考会の一週間前、立候補した生徒が集められ、お題を伝えられました。お題は、「レッスン4のうちのどれかを読んでもらうから練習をしてくること」でした。
自分よりも実力のある人たちを押しのけて選ばれるためにはどうしたら良いのか。これまでのテストの点数は変えようが無いし、一週間では発音を劇的に良くすることもできません。(今なら猛特訓でそれなりのレベルにできる自信はありますが・笑)
色々と考えた結果出した答えは、「レッスンを全部丸暗記して当日は教科書を見ないでやる」でした。英語の教科書は各レッスンごとに4~5個のパートに分かれていました。中学生レベルとは言え、そこそこの量があります。点数でも発音でも、他の部分では自分より上がいる。だから誰もやらないことをやって、やる気を見せる。中学生の考え方としては少しいやらしい気もしますが、これが私の作戦でした(笑)
この作戦は見事成功し、私が学校の代表に選ばれました。
私の熱意を買ってくれたスポ根先生(他の学年の英語担当)が、猛プッシュしてくれたのだそうです。本番のスピーチコンテストは市内大会止まりでしたが、とても良い経験になりました。
スピーチコンテストをきっかけに、教科書のそれ以外のレッスンも暗記をするようになりました。教科書を丸暗記していれば、試験対策にもなると気づいたからです。英語の家庭教師は続いていたものの受験勉強は独学でやっていたので、ペース配分を自分でできたのが良かったです。他の教科とも折り合いをつけつつ、受験勉強が終盤に差し掛かる頃には3年間の英語の教科書すべてを暗記していました。どの学年のどのレッスンのどのパートにどの単語が出てくるかまで、完璧に暗記していたと記憶しています。
思えばこの頃の記憶力は通訳技術として今も健在ですね(笑)
教科書の中身まではさすがにもう覚えていませんが、今でも中学校3年間の英語の教科書は捨てずに取ってあります。中学を卒業してからもう十数年、ほとんど中身を見ることもありませんが、そこにあるだけで初心を思い出させてくれる私の宝物です。
この中学の教科書3年間分丸暗記は、この先の私の英語学習にとって何よりも大切な基礎となりました。
その重要さに気づくのは、もう少し先になります。
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