ご存知の方も多いと思いますが、アメリカにはホワイトデーはありません。
そもそもバレンタインデー自体、日本とは少し異なる仕組みです。日本のバレンタインデーは女性が好意を抱く男性にチョコレートを贈る日とされていますが、アメリカでは恋人同士でチョコレートをはじめプレゼントやカードを贈り合う日です。もちろん日本の義理チョコや友チョコ的に、家族や友達同士、同僚同士でチョコのやり取りをする人もいます。このため日本のように「お返しの日」の必要もありません。
日本のバレンタインデーやホワイトデーはお菓子業界主導のイベントですから、オリジナルと異なるのは仕方のないことだと思いますし、商売の一環とは言え「女性から告白する日」を作ったことは悪くないと個人的には思います。どうせなら「お返しの日」としてのホワイトデーだけでなく、「男性から告白する日」も作ってくれたらいいのにとも思いますが(笑)。
さてこの通りホワイトデーが無いアメリカですが、そのアメリカへ留学中私は、人生で一番心に残るホワイトデーを経験しました。
ある年の3月14日のこと。大学の授業が終わって帰宅すると、日本大好きアメリカ人の友人(男性)から電話がありました。
「エリカ、今どこにいる?」
今アパートに帰ってきたところと返すと、
「今から行くからそこにいてね」と。
10分ほどで彼は私のアパートの前までやってきて、私が出迎えると、満面の笑顔で大きなチョコレートボックスを差し出してこう言いました。
「Happy White Day Erika!」
突然のことにポカーンとしていると、彼は更にニコニコと続けました。
「今日は日本ではホワイトデーでしょ?だからプレゼントだよ。」
「でもバレンタインデーのお返しの日だよ。私何もあげてないよ。」
ここで胸キュン。
「そんなの、君が友達でいてくれるだけで十分だよ!」
そう言って楽しそうに笑う大きなテディベアのような彼がとても可愛くて、とても温かい気持ちになりました。そんな風に言ってくれる友人と出会えた私は幸せだなと、今でもこの時期になると彼のことを思い出します。ちなみに彼とは今もFacebookで交流があります。
この日彼がくれたチョコレートは攻撃的なほど激甘なアメリカンチョコレートでしたが、最後のひとつまで大切にいただきました。
今日も優しい彼が笑っていてくれることを願って...Happy White Day!
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