こんにちは、英語同時通訳者でオンライン英語・通訳講師の山下えりかです。
10年以上ロングだった髪を4月にバッサリとショートにしてから3ヶ月ほどになります。短い髪の楽さに慣れて堪え性がなくなってしまったようで、4月から数えて早3回目のカットに先週行って来ました。カット中は担当の美容師さん(女性)と色々な話をするのですが、今回とても考えさせられた彼女のある一言についてお話しします。
今回で私の担当は3回目になるその美容師さんには、3才になるお子さんがいます。
お子さんの話を少し聞いた後で、何気なく質問してみました。
「英語を習わせたいって思いますか?」
こう聞くと大抵のママさんパパさんは、「もちろんやらせたいです」と答えます。
しかし彼女は、
「んー、習わせたい...できるようになってほしい...ですけど...」
と少し言葉を選んで、
「とにかく英語を嫌いにならないでほしいです」
と答えてくれました。
彼女自身、中学&高校では英語が大嫌いで苦労したそうなので、その切実さが胸に響きました。そしてとても素敵な答えだなぁと感動しました。「自分にはできなかったから子供はできるように誰かにどうにかしてもらう」という考え方ではなく、「我が子が自分と同じ轍を踏まないようにまず自分ができる範囲で環境づくりをする」という姿勢が見えたからです。
私達の頃は中学校、今では小学校から始まり、社会に出てからもなかなか縁の切れない英語と上手に付き合って行くためには、「好きになること」の数倍、「嫌いにならないこと」が大切です。嫌いになってしまうとなかなかそこから動けなくなってしまいますし、どうしても必要なことならなおのこと、「苦痛」になってしまいます。その将来の苦痛を取り除けるかどうかに、幼少期の環境は大きな影響を及ぼします。
親が無理に英語を押し付けることで英語を嫌いになる子供は実は多くいます。私は過去に子供向けの英語教室でそういうケースを見てきました。そして「お父さんお母さんに褒められたいから」と英語を好きなふりをする子供も珍しくありません。それが本当の「好き」に繋がれば良いのですが、なかなかそうは上手くいかないのが現実です。
先日出席したスポーツ関係の講義では、こんな話を聞きました。
“例えば何かのスポーツを子供がやっていて、試合から帰って来た子供に「どうだった?勝った?」と聞く親が日本には多くいます。これは絶対にダメです。この聞き方は、勝ち負けでその子の価値を判断すると子供に言っているのと同じです。多くの欧米諸国ではまず、「どうだった?楽しかった?」と聞くのです。”
私が柔道の練習や試合を嫌いになったのもこれだったなあと思い当ったのと同時に、英語でも同じことが言えると感じました。
大事なことなので繰り返します。
子供が英語を好きになるか、嫌いになるか。好きになれなかったとしても、嫌いにならないでいられるか。この先長く続いて行く英語との付き合いをリラックスしてやって行けるかどうか。そこには初期の段階における親の姿勢や考え方がとても重要です。
ちなみに、あえて放っておくというのも一つのやり方かもしれません。
小4から3年間私が英語塾に通っていた頃の私の両親は、「どうだった?」と聞くことすらあまりしなかったと記憶しています。無関心だったわけではないのでしょうけれど、その日何をやったとかどれだけのことを覚えたかとかいちいち聞かれた覚えはありません。英語塾の卒業記念に受けた英検5級に落ちた時にもケロっとしていましたし(笑)
そのお陰で私は「私英語できないのかぁ」とは思っても、「英語嫌い!」とは思いませんでした。そして中学で英語の授業が始まった時は、「英語好き」ではありませんでしたが抵抗感はありませんでした。それが最初のテストの高得点に繋がり、その後の勉強意欲を盛り上げ、英語の道をただひたすら好きだけで進むきっかけを作り、今に至ります。
「英語を嫌いにならないでほしい」
英語を学ぶ全ての人に、私も心からそう願っています。
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