こんにちは、英語同時通訳者でオンライン英語・通訳講師の山下えりかです。
明日で自著『初心者のための英語学習ガイド』の出版から一年となります。私にとっては心血を注いだ我が子の1歳の誕生日となる特別な日なので、この本や出版に関して思うままに書き綴りたいと思います。
まずは、本書の出版を自分事のように喜び祝ってくださった友人達やお世話になった方々に心より御礼申し上げます。大勢の方に盛大に祝っていただいて、これだけ多くの人たちが応援してくれているのだと実感することができ、とても幸せな一年間でした。内容に関するコメントも数多くいただき、折に触れて思い出してはパワーを貰っています。
またこの出版を機に仕事でもプライベートでも沢山新しい機会に恵まれた一年でもありました。今後に繋がって行きそうな出会いも多くあり、全ての巡り合せに感謝の気持ちでいっぱいです。
さて、本書の執筆と出版を機にこの一年で私の中で一番大きく変わったことはと考えてみると、長年使って来た口癖の使用頻度が極端に減ったことです。
「はなちゃんのおかげ」
私は高校生の頃から嬉しいことや幸運なことがある度にこの言葉を口にしていました。「はなちゃん」とは、私が高校生の頃に亡くなった曾祖母のことです。私は静岡、曾祖母は京都に住んでいたので、生前ほとんど会う機会はありませんでした。記憶にあるのは小学校低学年の頃家族で京都へ旅行した時と、曾祖父が亡くなってから曾祖母が母の実家で過ごした短い期間に数回会ったことだけです。
しかしながら私にとっては曾祖母の死が初めての「身近な人の死」で、高校生の私の心に大きなインパクトを残しました。そして曾祖母の死と時期をほぼ同じくして私は高校留学を経験しています。高校生で親元を離れて異国の地で生活し、とても刺激的な毎日を送る中、時として10代の若い身では受け止めきれないことも沢山ありました。そんな時はホストファミリーをはじめとする周囲の人たちにとても助けていただいた一方で、それだけではない何か不思議な力に守られているような気がすることもありました。それをきっかけに「もしも自分に守護霊がいるのなら誰だろう」と考え、唯一頭に浮かんだのが「はなちゃん」だったというわけです。
それからは事ある毎に「はなちゃんありがとう」「はなちゃんのおかげ」と心の中で、時には声に出して言うようになり、大人になってもこの習慣は続きました。良いことがあった時、悪いことが結果的に良いことに繋がった時、それが当たり前に起きたことではないと自分に言い聞かせる時のおまじないのような言葉でした。
10代の頃からの習慣だったのでもちろん、本書の出版のオファーをいただいた時にも、喜びながらいつものように「はなちゃんのおかげ!」と主人に話しました。するとそれまでいつも「うんうん」と聞いていた主人が真剣な顔つきになり、真っ直ぐに私を見て言ったのです。
「これは貴女が努力してきた結果だよ。」
たった一言でしたが、私の自分の「努力」に対する考え方を変えてくれた一言でした。この言葉を聞いてようやく、この本の出版の話がただ奇跡的に空から降って来た話でも、自分の力が遠く及ばない場所から湧いた話でもないと実感できたのです。オファーをいただいた当初は嬉しさのあまりそれをどう受け止めて良いか分からない状態でしたが、それまで私が人生のほとんどの時間をかけて英語に取り組み、それを定期ブログという形で発信し続けてきた結果としてのオファーだったのだと、まずそれまでの自分の頑張りを自分が評価すべきなのだと、気づかされました。
そして今改めて主人のこの言葉を振り返ってみると、この前置きとして「それは違う」と言わなかった主人の優しさが心にしみます。それまで私が心の支えにしていた「はなちゃん」の存在を否定する言葉を使わずに、私の努力を肯定し最大限評価し私にもそれを促してくれたこの一言は、これから先もずっと私の宝物です。
このことをきっかけに、何でもかんでも「はなちゃん」と言うことはやめました。何事も様々なご縁に支えられていることは忘れずに、その一方で自分の努力はまず自分でしっかりと評価できるように心掛けるようになりました。これからも「はなちゃん」も「努力」もどちらも大切にして行きたいと思っています。
最後になりましたが、改めて本書の紹介をさせていただきます。
『初心者のための英語学習ガイド~「英語をしゃべりたい!」と思ったらいちばんはじめに読む本』は、使える英語を身に付けるためにどんな勉強をどんな順番でやるのが一番の近道かを私の経験に基づき解説している本です。本書の中で紹介している英語を使いこなすために一番大切な基礎力のつけ方や、第5章で紹介している一歩進んだ勉強法は、初心者だけでなく上級者にもおすすめの内容となっています。使いたい英語のレベルが上がれば上がるほど、大切なのは盤石の基礎です。英語の勉強をしている全ての人にお届けしたい一冊です。Amazonをはじめ各種電子書店にて発売中の電子書籍版は単行本よりもお安くなっていますので、そちらも併せてご購入をご検討いただければ幸いです。