今回は英語や通訳から少し離れて、タイトルに書いた本の紹介とその内容に関連した私自身のことについてお話をしたいと思います。
『いつもやってくる殺したくなる自分にサヨナラ - 毎月のツラすぎるその症状PMDDかもしれない!?』はタイトルの通り、PMDD(月経前不快気分障害)をテーマにした本です。著者はPMS/PMDD専門カウンセラーでパーソナル・メンタルトレーナーの森井恵子さん。森井さんは私の通訳講座の生徒さんの奥様で、そのご縁がこの本との出会いでした。
この本では、著者の森井さんご自身がPMDDを患い克服された体験談をはじめ、PMDDの症状、原因、薬に頼らない克服方法等、PMDDに関する様々なことが分かりやすく解説されていています。また一見とっつきにくそうな内容もすんなりと頭に入ってくる、とても親切で読みやすい文体です。PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)に悩む女性だけでなく、パートナーやご家族にもぜひ読んで欲しい一冊です。我が家では私が読み終わってすぐに主人にも読んでもらったところ、「勉強になった」「良い本でした」と好評でした。日常生活と密接に関係しているPMSやPMDDのコントロールや克服には、家族の協力が不可欠なのです。
私自身、30才を超えた頃から月経前の体や心の異変を感じていました。20代までと比べて明らかに不調を感じることが増え、特に精神的に安定しないのが大きな悩みでした。
数年前には主人と大喧嘩をして衝動的に家を飛び出してしまったり、その前後でひどい八つ当たりをしてしまったり、そしてその後でひどい自己嫌悪に陥ったりするなど、特に症状がひどく出ていた時期がありました。毎月やってきては自分で自分の感情をコントロールできなくなる月経前のこの期間は、私にとっても主人にとっても生活の中で大きな障害となっていました。
このままではいけないと思い、当時ネットを使って色々調べ生活習慣を工夫してみた結果、今ではかなり症状は改善されました。それでもやはり月経前になると、心身ともに未だ様々な不調に悩まされます。
本の中の表現を拝借すると、当時の私はPMSとPMDDの境界線、要注意レベルだったのだと思います。今ではPMSのレベルに落ち着いているものの、この本を読んでそれに安心していてはいけないと思うようになりました。
本を読んで一番衝撃的だったのが、「PMDDの原因は幼少期のトラウマや親との関係にあることが多い」という点でした。森井さんの体験談を参考に私も自分の過去を探ってみたところ思い当ることが多く、自分でも驚きました。またPMDD要注意レベルまで症状が悪化していた数年前を思い返してみたところ、その直前に悪化の引き金となった出来事があったことにも思い当りました。
そしてこれらのトラウマを根本的に解消しない限り、またいつその症状が出てもおかしくないことを知り、自らの過去やインナーチャイルドと向き合うことの必然性を感じました。
幼少期のトラウマがPMDDの原因になるというのは衝撃だった一方で、ただ年齢のせいと諦めていた症状にはっきりとした原因があると分かったことは、私にとって何よりの収穫でした。数年前の嵐のような時期は過ぎ、今は一見落ち着いているものの、これから年齢を重ねて行くにつれてまた抑えがきかなくなってしまうのではないかという恐怖はいつもどこかにあったのです。
もちろん年齢とともに生活も体調も変化するので、年相応の変化はあって当然ですが、PMDDに関しては原因を知り正しく対処すれば、少なくともその部分は軽減していくことができます。同じく本を読んでくれた主人とも話し合い、今後の対処法を現在一緒に考えている最中です。
そしてやはり先にも書いた通り、この本はぜひ、夫婦、親子、家族で読んで欲しい本です。PMDDの改善には家族の理解と協力が不可欠だからです。事実、大変だった時期に一緒に悩み寄り添ってくれて、これからのために共に学び考えてくれる主人の存在は、何よりも心強く安心感を与えてくれています。心の平穏のためPMDDの症状改善のため、家族の温かいサポートは原因の解消と同じくらい大切です。
改めて、『いつもやってくる殺したくなる自分にサヨナラ - 毎月のツラすぎるその症状PMDD(月経前不快気分障害)かもしれない!?』は、PMSやPMDDに悩む全ての女性と家族へエールを込めて、全力でおすすめする一冊です。
PMS/PMDDにお悩みの皆さん、ぜひご一読くださいませ。
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