こんにちは、英語同時通訳者でオンライン英語・通訳講師の山下えりかです。
アメリカ大統領選挙まであと2週間。アメリカのニュースは選挙一色で、毎日トランプ大統領とバイデン候補、そしてそれぞれの支持者たちの動向が報道されています。
2016年の選挙ではヒラリー・クリントン候補が圧倒的有利と事前に報道されていたにも関わらず、結果はそれを大きく裏切るものでした。なので事前の報道や予想についてはあまり信用しないことにしていて、ここで2週間後の結果を予想するつもりもありません。
しかしながら4年に一度の貴重な機会ですので、これまで私がこのブログに書いてきたトランプ大統領についての記事やその支持者・反支持者についての記事などを、記事の中で紹介した動画も交えて振り返りたいと思います。
✔ 「”偉大なアメリカ”など馬鹿げている」(リベラル派の見る保守派)
これは2016年の大統領選挙の際にリベラル派(民主党支持者)がトランプ候補(当時)の主張を皮肉ったネガティブ・キャンペーンの動画のひとつです。風刺コメディとしての完成度が高く「トランプの憎悪を笑いに」というテーマにぴったりの作品で、当時とても興味をひかれ、日本語の字幕を付けてブログやSNSで共有しました。
内容については下記記事で詳しく解説しているので、こちらの記事をご参照ください。
関連記事:【風刺コメディ動画】トランプの言う「偉大なアメリカ」ってこんな時代(白人至上、人種差別、女性蔑視)
✔ 「アメリカは建国当初から偉大である」(保守派の主張)
こちらは保守派の黒人男性の主張を記録した動画です。トランプ大統領の支持者と言うと、「白人、人種差別主義者、学が無い、貧乏」などというふうに語られることが多い印象です。しかし実際にはそんなことはなく、このように信念をもって保守派を貫く黒人男性もいます。
この動画はアメリカの友人(保守派)がFacebookでシェアしていたものです。こちらも多くの人に知って欲しいとの想いから、日本語字幕を付けて共有させてもらいました。
✔ 理性的な保守派の主張
「トランプ大統領を支持する保守派の人間なんて感情的な主張しかできないのでは」「常識が通じない人たちばかりなのでは」と思っている人も多いかもしれません。日本で報道されるのはトランプ大統領の言動への批判と現地のリベラル派の主張が多く、保守派の主張が報道されることがあったとしてもトランプ大統領を完全に肯定するような過激な主張が多い印象です。
しかし私の知っている保守派の人たちはそうではありません。私は高校留学ではテキサス、大学ではカンザスでホームステイをしました。どちらも保守色の強い地域で、どちらのホストファミリーも保守的な思想を持つ人たちでした。
彼らは決して常識の通じないモンスターではなく、とても家族と国と信仰心を大切にし、自分たちの生活を守るために努力を惜しまず、他者にも親切で、話してみるととても親しみやすく心優しい人たちです。
下記はホストファミリーや保守派の友人たちがSNSでシェアしていた主張や情報をまとめた記事です。ニュースでは知る機会があまりない保守派の一面を知るきっかけにしていただければ幸いです。
関連記事:トランプ支持層の保守派ってどんな人? - 2018年中間選挙を前に
✔ リベラル派が恐れたトランプ氏当選後のアメリカ
保守色の強い地域に住んでいたからと言って、リベラル派の友人がいないというわけではありません。4年前にトランプ氏が大統領に当選した直後、リベラル派の友人たちのSNSは不安と恐怖であふれていました。ここ最近アメリカで起きている抗議活動は実際にこういった不安が現実のものになった結果なのだと感じています。
下記の記事では当時どのような懸念が広がっていたのかを記録しています。
関連記事:アメリカの人種差別に拍車をかけるTrump Effect(トランプ効果)
✔ 元々色濃かったトランプ大統領から見えるアメリカの差別意識
トランプ氏が大統領候補として存在感を増していた2016年前半には、既にトランプ氏の言動は差別的だと批判を集めていました。その差別の矛先は日本人の英語やコミュニケーション力に向けられたこともありました。
下記2本の記事はその当時問題視された発言とそれについての私の考察をまとめたものです。
関連記事:
✔ アメリカ大統領選挙がテーマのおすすめ映画
最後に、アメリカ大統領選挙をよりよく理解するためにおすすめの映画を紹介します。Swing Vote(邦題:チョイス!)という映画で、コメディでありながらアメリカ大統領選挙や両党の主義主張を分かりやすく描いていて、選挙における一票の大切さについて深く考えさせられる作品です。
選挙自体にあまり興味がなくても楽しめる内容ですし、これがきっかけで政治や選挙に興味を持てるかもしれませんので、これを機に観てみてはいかがでしょうか。
✔ おわりに
記事の締めくくりとして、カンザスでお世話になったホストマザーが先日Facebookでシェアしていた言葉をご紹介します。
If you are my friend and you support Trump, you are my friend.
If you are my friend and you support Biden, you are my friend.
But if you feel the need to degrade those who feel differently than you...
Maybe we are not friends.
あなたが私の友人でトランプ大統領を支持しているのなら、あなたは私の友人です。
あなたが私の友人でバイデン候補を支持しているのなら、あなたは私の友人です。
しかしあなたが自分と意見の異なる人を貶める必要を感じるのなら...
私たちは友人ではないのかもしれません。
悲しいことにトランプ政権になってからアメリカ社会は分断が進み、異なる主義主張を持つ人たちの間での議論がまともにできない状態になってしまいました。
このような問題はアメリカに限らずどこでも難しいことですが、大切なのは自分の主義主張を論理的に展開できること、それを理性的に議論できること、そして強い信念を持ちながらも相手の意見を尊重できる柔軟さと寛容さを持つことだと、双方向の議論に立ち会う機会の多い通訳者として常々感じています。
次の記事:【通訳練習教材】SDGs 1 No Poverty / 貧困をなくそう(英語&日本語動画)
前の記事:「経験の共有」と「分析」と「学習の効率化」|オンライン講座における私の役割
関連記事: アメリカ大統領選挙制度の歪みと的中した嫌な予感
コメントやご質問はお問い合わせページからお願いします。