頑張りたくても頑張れなかった頃の話と夫への感謝|銀河街の悪夢とサザンカ(SEKAI NO OWARI)

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 こんにちは、英語同時通訳者オンライン英語・通訳講師の山下えりかです。

 

 今日は私と夫の7回目の結婚記念日です。今回は心を病んで頑張りたくても頑張れなくて苦しかった頃の私の昔話と、そんな私に寄り添い支えてくれた夫への感謝を綴りたいと思います。要するに惚気ですが、お付き合いいただけたら嬉しいです。

 

 そう言えば今年、「外で配偶者のことをどう呼ぶか」という話を何度か耳にしました。「主人」と呼ぶのに抵抗がある女性が多いとか、妻側の呼ばれ方では「家内」「嫁」が下に見られているようで嫌だとか、「奥さん」は自分も働いているからそう呼ばれるのが嫌だとか、意見は様々なようです。ちなみに我が家は外では「主人」「奥さん」です。32才も年が離れているので、夫の年代に多い呼び方に合わせるのが落ち着きますし、常に対等なパートナーとしてお互いを尊重しているので夫にどう呼ばれようと下に見られているなどとは感じません。失礼、いきなり脱線しました(笑)。

 

 このサイトを始めて以来、ブログではいつも英語や通訳について力強く持論を展開し、オンライン講座では先生然として指導をしている私のことを、「挫折知らず」と思っている人は多いようです。レッスンやブログへのコメントで「いつも勉強になります」「山下さんのようになりたいです」と言っていただけるのはとてもありがたく励みになります。

 

 その一方で、「山下さんのようになりたいけれど自分には無理そうです」というようなコメントを残してレッスンを休止される方も少なくなく、「そんなことないのになぁ」と思うことがしばしばあります。(サイマルアカデミーでの基礎訓練で私がどれだけ七転八倒していたかもよく話しているのになと...)

 

 私はこのサイトをこれまでの自分の英語・通訳学習の経験の共有の場として作ってきました。英語学習についても通訳訓練についてもまだまだネタはたくさんありますが、このあたりで少し一息入れて、私の失敗談を共有するのもありかなと思い、今回この記事を書くことにしました。

 

 私にとってサイマルアカデミーでの通訳訓練が苛酷であったことは「私が通訳になるまでシリーズ」に書いた通りですが、実は本当に大変だったのは卒業した後でした。

 

 私がサイマルアカデミーの卒業試験に合格したのは2011年の3月。クラス全員合格&卒業の記念にと小松先生がクラスメイト全員を食事に誘ってくださった週末の直前に、東日本大震災が起こりました。当然のことながら食事会はキャンセルになりました。震災直後、通訳業界は大打撃を受け、業界全体では仕事量が9割減ったとも聞きました。

 

 卒業試験をクリアしたことで数年間続いていた緊張が一気に解け、そこに日本全体を巻き込む大混乱が起こり、先が見通せなくなり、ぷっつりと気持ちの糸が切れてしまったのです。

 

 そこから約2年間、ほぼ何もできない日々が続きました。実家の家族や友人を含め、夫以外の人にその状態を気取られないように人と会う時には元気なふりをしていましたが、普段は朝起きて夫を仕事に送り出してからは、テレビを見たりネットサーフィンをしたり漫画を読んだりしながらただただ時間を浪費し、無気力で家事もまともにこなせない日が多くありました。

 

 当時まだ結婚前で同棲中だった夫はそんな私を何も言わずに見守ってくれました。「こんなことをしていてはダメ。エージェントなり派遣会社なり、せめて登録に行かないと。」と焦りながらも行動を起こせない私に、「生活はできてるんだから無理に働かなくていい」「好きなことをして過ごせばいい」といつも言ってくれました。

 

 東日本大震災の影響が収まってきた頃から少しずつ通訳の仕事のオファーをいただけるようになり、毎回ビビりながらも夫に背中を押されながら新しい仕事に挑戦しました。仕事の機会が増えるごとに私の精神状態も安定し、少しずつ経験を積み重ねてきました。

 

 仕事が上手く行けば一緒に喜んでくれて、嫌なことがあれば愚痴を聞いてくれて、新しいことにチャレンジすると言えば全力で応援してくれました。あの苦しい日々を乗り越え頑張れる今があるのは、いつでも私を無条件で全肯定してくれる夫のおかげです。

 

 最後に紹介したい曲が2曲あります。ひとつ目はSEKAI NO OWARIの「銀河街の悪夢」です。ボーカルのFukaseさんが精神を患っていた頃のことを歌った曲で歌詞の内容はかなり強烈なのですが、私にとってはとても共感できて思い入れのある曲です。そして昨年セカオワのライブでのFukaseさんの言葉がとても印象に残っています。

 

「忙しくて大変な時よりも、頑張れない時の方がずっと辛い。だから近くに誰かそういう人がいたら怠けてるとか楽してるなんて思わないで欲しい。」

  

 

 もうひとつは同じくセカオワの「サザンカ」。これは平昌オリンピックの応援ソングとして作られた曲です。とても優しくそして力強く背中を押してくれて、これまで大変な経験を沢山されてきたFukaseさんだから書けたのだと思う大好きな曲です。決して大げさではなく、私もこんな風に夫に支えてもらってきました。

 

 

 今年は新型コロナウイルスの流行がきっかけとなり、オンライン講座やオンライン通訳の需要が伸び、ありがたいことに忙しい毎日を送ることができました。急激な環境の変化に戸惑い、忙しさに目が回りそうになったこともありましたが、あの頑張れなかった頃の辛さを思えば辛いと思うことは何もありませんでした。誰かに必要とされていることに、全力で頑張れている今に、それを支えてくれた夫に、ただただ感謝しながら日々を過ごしてきました。

 

 8年目の結婚生活もその先も、パートナーの存在を当たり前などと思わず、毎日を大切に過ごして行こうと思います。

 

 私が(多分)うつ状態だった頃があったという話が誰かの助けになるかは分かりません。ただカッコ悪い昔話をさらしただけかもしれません。ただこれも私と言う人間の一部だということを知っていただけたら嬉しいです。

 

 そして訓練時代を含め大変だった経験があるからこそ、その時の感覚や苦しみを鮮明に覚えているからこそ、英語や通訳を学ぶ人の悩みに寄り添い一緒に解決策を考えられる存在でいたいと思っています。

 

 

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