こんにちは、英語同時通訳者でオンライン英語・通訳講師の山下えりかです。
突然ですが私、約11年間の東京での生活に終止符を打ち、この度北海道札幌市に引越しました。今回は私がこの決断に至った経緯と、「好きな場所で好きな仕事をして生きる」ことについてお話しします。
✔ 札幌が好き
私が札幌への引越しを決めた一番の理由は、私が札幌が好きだからです。札幌が私にとってのパワースポットであることは以前『過労で高熱を出して倒れた時の話 - ドラマ「わたし、定時で帰ります。」を観て』でも書きましたが、とにかく札幌にいるとそれだけで嬉しくて楽しくて幸せで活力がわいてくるのです。「札幌に住みたい」という気持ちは20代の頃に旅行で初めてこの地を訪れてから日増しに強くなっていきました。
しかしながらご承知の通り、通訳や英語の仕事は東京一極集中が現状です。通訳や英語を仕事にしている限りは札幌生活は叶わない夢だと、少し前までは思っていました。
参考:過労で高熱を出して倒れた時の話 - ドラマ「わたし、定時で帰ります。」を観て
✔ サイト開設
私は30才だった6年前、このサイトを開設しました。その目的は通訳者として英語指導者として自ら発信する場を作りたかったからです。
この時にはまだこれが私の仕事の基盤となるところまでは想像できていませんでした。しかしブログやその他のコンテンツを見に来てくださる方が増え、お問い合わせからいただくご要望やご依頼にお応えする形で仕事やレッスン内容を増やして行く中で、通訳の仕事・レッスンともに少しずつでも確実に仕事の機会が増えて行きました。
ちなみに自著『初心者のための英語学習ガイド(スモール出版)』が出せたのもこのサイトがきっかけです。出版社の編集者さんが私のブログを見つけ興味を持ってくださり、出版のオファーをいただきました。
✔ コロナ禍での需要
昨年(2020年)からのコロナ禍で様々なオンラインの需要が急増しました。それに伴い私もオンライン通訳のご依頼をいただくことが増え、同時にオンライン講座のお申込み数も伸びました。
通訳に関しては昨年から現在に至るまで、感染予防のために思い切ってオンサイト(現場)での通訳の仕事はお断りし、自宅からオンラインでできる仕事のみ対応してきました。最初はそれだけでやっていけるか不安もありましたが、数年かけて地道に続けてきたことが功を奏し、検索エンジンでの順位が上がっていたことが助けとなり、当サイトから直接多くのご依頼をいただきました。レッスンについても同様で、通訳・レッスンともに昨年は目が回るほど忙しい時期もあり、本当にありがたい限りでした。
最初はこれが一時的なものだと思っていましたが、感染拡大が収まったあともオンラインの需要はオンサイトの需要とは別に残り続けるというのが現時点での私の見解です。これについてはまた別の機会に詳しくお話しできればと思います。
✔ 「地理を凌駕するコネクティビティ(接続性)」
かくして私は「通信環境とセキュリティさえ整っていればどこでも仕事ができる環境」を整えることができました。サイトが軌道に乗り始めた頃から以前にも増して大きくなってきていた「札幌に引越したい」という気持ちは「札幌に引越す」という決断に変わりました。
この頃に出会ったお気に入りの言葉があります。グローバル・ストラテジストのParag Khanna氏によるTED Talkの一節です。
“We are the global network civilization, and this is our map. A map of the world in which geography is no longer destiny. Instead, the future has a new and more hopeful motto: connectivity is destiny.”
我々はグローバルネットワーク文明を生きており、これこそが我々の地図なのです。その地図とは地理がもはや運命ではない世界の地図です。それに代わるものとして、未来には新しくより希望に満ちた理念があります。「コネクティビティ(接続性)こそが運命である。」
少し前まで私は通訳や英語を使った仕事は東京でしかできないと思っていました。しかし時代は変わり、これからも変わり続けて行くのだということをここ数年で実感しています。
これまで自分が積み上げてきたものを信じ、さらにこの言葉に背中を押され、私は札幌への引越しを本格的に進めることにしました。
✔ 自由とリスクと責任と重圧
昨年の秋頃に気持ちを固め、この5月に引越しに至りました。まだ生活は始まったばかりですが、10年以上も焦がれ続けた地での生活は毎日がとても楽しく幸せです。
しかしながら自由に生きることにはリスクと責任と重圧が伴います。私は先ほどオンラインの需要はコロナ収束後も残っていくと見ていると書きましたが、この読みが大きく外れて仕事がなくなるリスクはゼロではありません。自分ですべてを自由に決められるということは、すべてに自分自身で、自分ひとりで責任を持たなければならないということです。そしてそこには時に不安で胃が痛くなるほどの重圧ももれなくついてきます。
自由に生きるということは、このようなものに耐えるだけの覚悟と精神力と実力が必要な生き方だといつも感じています。そしてそれを維持するために、常に現状に満足せず、学び続け、いつも次の一手を探し考えています。
✔ おわりに
10年以上も抱き続けた夢を実現することができ、今は達成感と多幸感でいっぱいです。しかしそんな今だからこそ気を引き締め、ここでの生活の維持と向上を目指して引き続き努力をして行こうと思います。
最後になりますが、この札幌生活の実現は、インターネットの大海原から私のサイトを見つけてくださった皆様のおかげです。この機会に心から感謝申し上げます。これからも有益な情報を発信して行けるよう努めて参りますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
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【About Erika】
職業:英語同時通訳者(個人/フリーランス)
現住所:札幌市
留学歴:3年(アメリカ)
特技:柔道(初段)、ピアノ(弾き語り)
趣味:料理、お菓子作り、食器屋巡り