こんにちは、英語同時通訳者でオンライン英語・通訳講師の山下えりかです。
今日12月10日は私たち夫婦の8回目の結婚記念日です。この日はここ何年か惚気回と化していますが、特別な日なのでご容赦いただければと思います。今年はマービン・ゲイを神と崇める夫に日頃の感謝を込めて、Marvin GayeとKim Westonのデュエット曲、 “It Takes Two” を紹介します。
昨年からのコロナ禍で、私たち夫婦も例外なく生活が一変しました。タクシードライバーだった夫は昨年仕事を辞め、リモート需要で仕事が増えた私のマネージメントと家事に徹してくれるようになりました。
以来我が家では私が通訳とオンラインレッスンの仕事をし、夫が家事をするという完全分業制です。家事は昨年までは私も多少やっていましたが、私の仕事量が増えるにつれて、「家事は私の仕事!貴女は貴女の仕事をしてください!」と言われるようになりました。札幌に引越してからというもの、気づけば私は新しい洗濯機をまだ一度も触っていません。そんなレベルで家事は夫に任せきりです。ただし料理は私のストレス発散でもあるので、やりたい時には好きなようにやっています。
この生活を半年以上続けてみて感じたのは、「仕事だけしていればいいって楽!楽すぎる!」ということでした。家事に時間と労力を割くことなく仕事に100%専念できるので、仕事の効率は格段に上がります。
毎日最高の環境で仕事をさせてくれて一緒に2人の生活を支えてくれている夫に、心からの感謝を!
1人よりも2人がいい。お互いを支えあえて、一緒に色んなことをして、同じ景色を見て、共に感動できる相手がいい。1人では難しくても2人でならできること、それを可能にしてくれる相手がいい。その相手は誰でもいいわけじゃなくて、貴方がいい。私にとって夫はその「2人の1人」なのです。
It Takes Two / Marvin Gaye & Kim Weston
この曲は助動詞 can の使い方が特徴的な曲です。
“can” は学校で「○○できる」という風に教わります。
もちろんこれが最も代表的な使い方ですが、
この他にも、「○○となる可能性がある」「○○であるかもしれない」
という風に使われることもあります。
歌詞のほとんどのラインに使われている can の訳し方にご注目です。
[Her:] One can have a dream, baby
夢は1人で見れる
[Him:] Two can make that dream so real
2人ならその夢を現実できる
[Her:] One can talk about being in love
愛は1人で語れる
[Him:] Two can say how it really feels
2人ならその感覚を語れる
[Her:] One can wish upon a star
星に願いをかけることは1人でできる
[Him:] Two can make that wish come true, yeah
2人ならその願いを叶えられる
[Her:] One can stand alone in the dark
1人では暗闇に孤独に立ち尽くすこともある
[Him:] Two can make the light shine through
2人なら光で照らせる
ここを「1人ではここまでしかできなくて2人ならこうできる」
と解釈するととても押しつけがましい感じがしますが、
「1人でやったことを更に良くできる特別な相手の存在」
と私は解釈しています。
私にとって主人は正しくこんな存在です。
It takes two, baby
2人必要なの
It takes two, baby
2人必要なの
Me and you, just takes two
私とあなた、2人必要なの
It takes two, baby
2人必要なの
It takes two, baby
2人必要なの
To make a dream come true, just takes two
夢を叶えるためには、2人必要なの
タイトルにもなっている “It takes two”
“take” は「取る」という意味で頻繁に使われますが、
“take” は様々な意味と使い方がある単語です。
ここでは「(何かをするために金、時間、労力など)がかかる、を必要とする」
という意味で使われています。
例:“It takes 20 minutes.(20分かかります)”
「目的を達成するために必要な時間、お金、労力」はすなわち、
「目的を達成するためにその目的(it)が自分から何を奪うか(取るか/ take)」ということ。
つまり解釈や使い方が異なるだけで言葉の意味するところは同じです。
ここで "take" が "takes" になっているのは、
主語の "it" が三人称単数形で現在形(三単現)の文章だからです。
“It takes two” は直訳すると「2を必要とする」となります。
“two” のあとには “people” が省略されていて、
「2人が必要」という訳になります。
[Her:] One can have a broken heart, living in misery
1人では惨めさの中で傷ついた心を抱え生きることもある
[Him:] Two can really ease the pain like a perfect remedy
2人なら完全な癒しのように痛みを和らげられる
[Her:] One can be alone in a car, on a night like these all alone
1人ではこんな夜に独りぼっちで車の中にいることもある
[Him:] Two can make just any place seem just like being at home
2人ならどんな場所でも家にいるように思える場所にできる
Just takes two, just takes two
2人必要、2人必要なの
[Her:] One can go out to a movie, looking for a special treat
素敵な特典を期待して1人で映画に出かけることもある
[Him:] Two can make that single movie something really kind of sweet
2人ならその映画をすごくスイートなものにできる
[Her:] One can take a walk in the moonlight, thinking that it's really nice
1人で月夜に散歩に出かけてとても良い気分になることもある
[Him:] But two walking hand-in-hand is like adding just a pinch of spice
でも2人で手に手をとって歩くのはひとつまみのスパイスを足せる感じ
最後のこのかたまりは、
「1人で生きるのも2人で生きるのもどっちもいいね」
というメッセージが込められていると感じます。
全体を通して「2人でいるのがいい」と主張しつつ、
「1人でいるのが楽しくて素敵なのも否定しない」
という感じが素敵です。
次の記事:通訳の必須スキル、リテンション(短期記憶保持力)を自主練習で強化!実践方法と練習用動画を紹介
前の記事:【通訳練習教材】SDGs 11 Sustainable Cities and Communities / 住み続けられるまちづくりを(英語&日本語動画)
関連記事:
頑張りたくても頑張れなかった頃の話と夫への感謝|銀河街の悪夢とサザンカ(SEKAI NO OWARI)
【About Erika】
職業:英語同時通訳者(個人/フリーランス)
現住所:札幌市
留学歴:3年(アメリカ)
特技:柔道(初段)、ピアノ(弾き語り)
趣味:料理、お菓子作り、食器屋巡り