【音楽と英文法 #006】We Are the World / U.S.A. For Africa(歌詞和訳&文法解説)

We Are the World 歌詞 和訳 意味 文法 解説 ウクライナ 世界 平和 通訳 英語 オンライン講座 山下えりか

 

 こんにちは、英語同時通訳者オンライン英語・通訳講師の山下えりかです。

 

 さて今回はロシアの侵略により不安と緊張が続くウクライナ情勢に鑑み、 USA for Africa の “We Are the World” の和訳と解釈を載せることにしました。

 

 サムネイル画像の背景写真は麦畑と青空で、これがウクライナ国旗のモチーフになっていると言われています。国旗の由来には、麦ではなくひまわりとする説、菜の花とする説、またそれ以外にも、諸説あるようです。いずれにせよ、とても美しい風景であることに変わりはありません。この景色が理不尽に踏みにじられているという現状に、言いようのない怒りと不安を感じながら毎日を過ごしています。

 

 こんな時、その気持ちを代弁してくれるのがメッセージソングの素晴らしさだと感じます。ソウルミュージックの代表的な反戦歌は、War/Edwin Starr, What’s Going On/Marvin Gaye, Say You Say Me/Lionel Richie 等々、他にも何曲かあります。どれも力強いメッセージが込められていて、音楽としても素晴らしい作品ばかりですが、今はやはり平和を願う曲がいいなぁと考えたところ、この曲に思い当たりました。

 

 私が生まれた年にリリースされた”We Are the World”は、私が使った中学校の教科書に載っていて、中学3年生の合唱祭で歌った思い出深い曲です。

 

 曲の歌い手である “USA for Africa” は、当時の(もちろん今でも)超有名アーティストたちの集合体で、映像を見ればわかりますがとにかくゾクゾクするほど豪華です。元々は戦争ではなくアフリカの飢餓と貧困問題の解消を目的として作られた曲で、レコード、ビデオ、グッズを含めすべての印税がアフリカに寄付された、チャリティーソングでした。

 

 テーマが飢餓・貧困であれ、戦争であれ、また環境保護のようなその他のグローバルな課題であれ、この曲は、命を大切にすることとすべての人が幸せであることを願うという普遍的なメッセージを伝えています。時代は違えど、SDGsの理念にも通じています。

 

 改めて今この曲を聴いてみると、今の世相にこれほどぴったりな曲はないのではないかと感じました。この曲に込められた平穏で幸せな生活の祈りが届くべき場所へ届き、平和な世界が実現することを心から願い、この記事を読んでくださる皆さんとこの曲を共有させてください。

 

 

 

 

There comes a time when we heed a certain call

時が来た、私たちがその声に耳を傾ける時が

When the world must come together as one

世界がひとつにならなければいけない時が

There are people dying

命を落としている人たちがいる

ここは省略があります。

省略された部分を補うと、”There are people who are dying” です。

「be動詞の現在形 + 一般動詞ing」の現在進行形の形で、

「(今まさに)~している」という状態を表します。

Oh and it's time to lend a hand to life

そして今こそ命に手を貸す時だ

The greatest gift of all

何よりも偉大な授かりものに

 

We can't go on pretending day by day

誤魔化しながら日々を過ごすことはできない

“can’t (can not)” は「できない」という意味ですが、

「人としてそんなことはできない(してはいけない)」というニュアンスです。

“go on” は「~し続ける」

ここの「~」の部分に、”pretending(誤魔化すこと)”が入り、

直訳は「誤魔化すことを日々続けることはできない」となります。

That someone, somewhere will soon make a change

誰かがどこかでもうすぐ変化を起こしてくれるのだと

We are all a part of God's great big family

私たちはみな神の素晴らしい大きな家族の一員

And the truth, you know

そして真実は、分かってるだろう

Love is all we need

私たちに必要なのは愛だけ

 

We are the world, we are the children

私たちは世界、私たちは(神の)子供

We are the ones who make a brighter day

私たちこそがより明るい日を作る者たち

So let's start giving

だから与えることを始めよう

There's a choice we're making

私たちがこれからする選択がある

We're saving our own lives

私たちは自分たち自身の命を救おうとしている

この2行は、「be動詞の現在形 + 一般動詞ing」の現在進行形が使われています。

しかしながら前出の”There are people dying”とは使い方が少し異なります。

現在進行形は通常「(今まさに)~している」という意味で使います。

しかし現在進行形は「直近の未来」を表すのにも使います。

「直近の未来」とはつまり、「もうすぐ起こること」という意味です。

例えば、

“I’m baking cookies this afternoon.(私は今日の午後クッキーを焼きます。)”

という風に使います。

そしてこの2つのラインは現在進行形で「直近の未来」を表していて、

「これから私たちがする選択は、私たち自身を救うための選択でもある」

という意味が込められていると私は解釈しています。

It's true we'll make a better day

その通り、私たちがより良い日を作る

Just you and me

君と私こそが

ここでは言葉だけを見るなら「君と私だけで」と訳すこともできますが、

この曲のメッセージが「みんなでひとつになろう」であることを考えると、

「君と私だけで」は解釈として不自然です。

“just” は「ただ単に」や「○○だけ」という意味で覚えている人も多いと思いますが、

この単語は言葉の強調をする役割も持っています。

つまりここでは、「みんなでやろう」から、

「ひとりひとりの力が必要」というメッセージにつながり、

「君と私こそ(強調)がより良い日を作る」と解釈するのが自然かと思います。

 

Send them your heart so they'll know that someone cares

彼らに気持ちを送ろう、そうすれば誰かが気にかけていることを彼らも知ることができる

And their lives will be stronger and free

そうすれば彼らの命はより強く自由になる

As God has shown us by turning stone to bread

神が石をパンに変えて私たちに示してくれたように

So we all must lend a helping hand

だから私たちは支援の手を貸さなければならない

 

 

We are the world, we are the children

私たちは世界、私たちは(神の)子供

We are the ones who make a brighter day

私たちこそがより明るい日を作る者たち

So let's start giving

だから与えることを始めよう

There's a choice we're making

私たちがこれからする選択がある

We're saving our own lives

私たちは自分たち自身の命を救おうとしている

It's true we'll make a better day

その通り、私たちがより良い日を作る

Just you and me

君と私こそが

 

When you're down and out, there seems no hope at all

君が打ちひしがれた時、希望など全くないように思えるだろう

But if you just believe, there's no way we can fall

でも君がひたすらに強い気持ちを持てば、私たちが負けることはあり得ない

Let us realize, oh, that a change can only come

みんな理解しよう、変化が訪れるのは

When we stand together as one

私たちがひとつに団結した時だけなのだと

 

 

We are the world, we are the children

私たちは世界、私たちは(神の)子供

We are the ones who make a brighter day

私たちこそがより明るい日を作る者たち

So let's start giving

だから与えることを始めよう

There's a choice we're making

私たちがこれからする選択がある

We're saving our own lives

私たちは自分たち自身の命を救おうとしている

It's true we'll make a better day

その通り、私たちがより良い日を作る

Just you and me

君と私こそが

 

 


 

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【About Erika】

職業:英語同時通訳者(個人/フリーランス)

現住所:札幌市

留学歴:3年(アメリカ)

特技:柔道(初段)、ピアノ(弾き語り)

趣味:料理、お菓子作り、食器屋巡り