
こんにちは、コミュニケーション・ファシリテーターの山下えりかです。ご訪問ありがとうございます。
今回のテーマは、英語や通訳を学ぶ人に私が一番伝えたい「自分で考えることの大切さ」です。学習の効果と効率を上げるための秘訣を私自身の体験談を交えてお話しします。
✔ 自分で考えることの大切さ
英語や通訳を学ぶ多くの人に私が一番伝えたいことは、「自分で考えることの大切さ」です。
レッスンをやっていてよく耳にするのが「〇〇が良いと聞いたのでやっています」「良いと聞いたので〇〇をやっていましたが効果がわからずやめてしまいました」といった声です。
通訳訓練についてはある程度やることが決まっていますが、英語学習に関しては実に多くの学習法やメソッドがあります。その中から自分にとって効果的な内容を選んで実践するのは大変なことです。それは理解しています。
しかしこういった声を聞くたびに私が問題に感じるのは、「自分で考える努力の欠如」または「目的意識の欠如」です。そして英語でも通訳でも上達のために不可欠なのが、この2つです。
大切なのは「自分には何が必要なのか」そして「なぜそれをやるのか」を常に考えながら学習を進めることです。ここからはそのヒントをお伝えします。
余談ですが通訳は常に瞬時の判断の繰り返しですから、「自分で考えて自分で判断する」ができなければ通訳はできません。この意味でも自分で考えることを習慣づけておくことが重要です。
✔ 自分で考え、自分を知り、更に考える
「自分に何が必要か」を知るために必要なのは、「自分を知ること」です。まずは「自分は何が苦手なのか」や「なぜそれが苦手なのか」を考えましょう。
例えば一口に「リスニングが苦手」と言ってもその原因は人それぞれです。単純に耳が英語の音をとらえられていない、語彙不足、文法・構文力不足、読解力不足、知識不足、等々... まずはその原因を探り、対策を立てましょう。この点については『通訳自主学習法スタディガイド』や『TOEIC840からの実用英語スタディガイド』で詳しく解説しています。
例えば私の場合、サイマルアカデミーで通訳訓練に最初からつまずいた際に自分のパフォーマンスをよく見直し、その原因を「知識不足、経験不足、読解力不足」と分析しました。
✔ 自分で考え、目的意識を持って取り組む
苦手の原因を突き止めたら、その苦手を克服するために必要な学習内容を考えます。
先ほどのリスニングの例で考えると、英語の音が苦手ならフォニックスで基礎を固めたり、ニュース、ドラマ、映画、市販の教材などで英語を聞く機会を増やす必要がありますし、文法が苦手なら文法書練習したり中学・高校の教科書を学び直すなどの対策が必要でしょう。
通訳訓練時代の私の問題点は先ほど挙げた通り「知識不足、経験不足、読解力不足」でしたから、対策は「知識不足はあらゆる媒体で知識に触れて何でも吸収する」「経験はこれから訓練を重ねながら積み上げて行く」「読解力は知識と訓練の積み重ねで伸ばして行く」という感じでした。これに加え、同時通訳訓練の準備として(同時通訳科に入る2年半前から)毎日シャドーイングをすると決めてこれを日課にしていました。
どのような内容の学習であれ絶対にやってはいけないことは「なんとなくやる」です。「この力をつけたいからこれをやる」というはっきりとした目的意識を持ってやることこそが効果と効率を上げますし、モチベーションの維持にもつながります。
✔ Think before you ask.
「まずは自分で考える」が大切なのはこれまで説明した通りですが、だからと言って経験者のアドバイスを求めるのが悪いと言っているのではありません。自分の目標を先に達成している誰かの話は参考になりますし、それを参考に次の取り組み方を考えるのも良いでしょう。
私自身、通訳訓練時代には先生方や先輩方のご著書を読み参考にしました。また開講中のオンライン講座でも、英語レベルチェック&学習アドバイスや通訳スキルチェック&学習アドバイスという形でまた毎回のレッスンで、受講生のパフォーマンスの分析と学習内容の提案をしています。
大切なのは「経験者に相談して自分の方針を決めてもらう」のではなく「自分で考える上での参考にするためにアドバイスを聞く」という姿勢です。
質問をする時にも、まずは自分で考えることが重要です。また「どうしたら良いですか」という漠然とした質問ではなく、「自分はこう思うのですがアドバイスいただけますか」の方がより具体的で明確な答えが返ってくることでしょう。
✔ おわりに
英語でも通訳でも、一番成長が速いのは「自分で考えて行動する人」です。まずはこれを習慣化し、学習効率の向上を目指してください。
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