こんにちは、英語同時通訳者でオンライン英語・通訳講師の山下えりかです。
毎月30日更新の通訳教材「訳して学ぶSDGs」、今回は目標8「Decent Work and Economic Growth / 働きがいも経済成長も」です。短文の逐次通訳やリテンション・リプロダクションの練習にご活用ください。
レッスンと同じ教材で通訳&リテンションの自主練習ができる自習室も開講中です!
✔ 教材を作る理由とテーマ
教材のテーマは以前『2030年に向けたみんなの目標SDGs (持続可能な開発目標)』の記事でも紹介した「SDGs(持続可能な開発目標)」です。現在私のオンライン通訳講座・英語講座でもSDGsを扱っていますが、まだまだその普及率と認知度が低いと感じています。そこで無料公開の英語&通訳教材という形で、SDGsの周知と啓発をしたいと考えました。
✔ なぜSDGsなのか
SDGsは2030年、そしてその先の未来へ向けて、今を生きる国際人の必須教養です。SDGsの17の目標は通訳者を目指す人であれば絶対に知っておくべき様々な分野の幅広い知識が詰め込まれています。また通訳を目指していなくても英語で世界各国の人たちと仕事をする人にとっては、仕事のための背景知識として、教養として、仕事相手との話題として、様々な形で活用できる内容です。
【参考】
オンライン通訳講座個人レッスンの内容紹介(使用教材、SDGsを使う理由)
✔ 教材の特徴
- 「SDGsとは」と17目標の計18テーマの教材を日本語・英語の両言語で作成します。同じテーマを両言語で練習することで、語彙、表現、知識の定着と強化につながります。
- 文章を一文ずつ区切り、読み上げの1.5倍のポーズ(リプロダクションまたは通訳のための時間)を入れてあります。原文と同じ言語で繰り返せばリテンション&リプロダクションの練習に、通訳をすれば短い逐次通訳の練習にご活用いただけます。
- このシリーズで作成・掲載する教材動画は、国連または国連開発計画(UNDP)のサイトに掲載されているSDGsとそれぞれの目標についての基本情報で構成されています。動画はSDGsの周知、啓発、教育を目的とするもので、私のオンラインレッスンで使用している教材とは異なる内容です。
※ちなみに私のオンラインレッスンで使用しているSDGs教材では、より実践的な逐次通訳の練習ができるよう、10~30秒のポーションで区切った復習用動画を作成しています。こちらはオンライン通訳基礎講座のみの特典です。ご興味のある方は講座にお申込みください。
✔ こんな人に使って欲しい
- SDGsについて聞いたことはあるまたは興味はあるけれどこれまで学ぶ機会がなかった人
- 教養を身につけながら英語力や通訳技術を磨きたい人
- 当オンライン英語・通訳講座の予習用教材として
【参考】
オンライン通訳講座個人レッスンの内容紹介(演習内容、課題、復習の仕方、その目的等々)
✔ おすすめの使い方
- 日本語動画でリテンション&リプロダクション
- 英語動画でリテンション&リプロダクション
- 英語動画でメモ無し逐次通訳
- 日本語動画でメモ無し逐次通訳
おすすめの使い方はこの順番です。
1.日本語動画でリテンション&リプロダクション
まず内容の理解は母語の方がスムーズなので、日本語で最初にリプロダクションをすることで内容を把握し、知識を吸収します。
2.英語動画でリテンション&リプロダクション
次に同じテーマの話を英語でリプロダクションすることで、日本語で得た知識の英語での表現や単語を習得します。
3.英語動画でメモ無し逐次通訳
通訳の際に英→日が先なのは、アウトプット言語が母語の方が自信を持って訳せるからというのと、日→英をする際にどんな英語を使えば良いのかを先に確認しておくためです。
4.日本語動画でメモ無し逐次通訳
最後に日→英の通訳をし、ここまでに習得したその教材に関連する英語の単語や表現を自分の言葉として使えるようになっているかの確認をします。
話の区切りが一文ごとと短いので、リプロダクションも通訳もメモを取らずに練習しましょう。リテンションを鍛えることが通訳訓練の第一歩です。
それぞれの動画の下にスクリプトがありますが、できるだけスクリプトには頼らず耳で情報を拾う訓練をしましょう。理想としてはスクリプトは最後の最後に確認のために使うのがおすすめです。
✔ Decent Work and Economic Growth(英語)
【動画リンク】SDGs 8 Decent Work and Economic Growth (YouTube)
【スクリプト】
Over the past 25 years the number of workers living in extreme poverty has declined dramatically, despite the lasting impact of the 2008 economic crisis and global recession.
In developing countries, the middle class now makes up more than 34 percent of total employment – a number that has almost tripled between 1991 and 2015.
However, as the global economy continues to recover, we are seeing slower growth, widening inequalities, and not enough jobs to keep up with a growing labour force.
According to the International Labour Organization, more than 204 million people were unemployed in 2015.
The SDGs promote sustained economic growth, higher levels of productivity and technological innovation.
Encouraging entrepreneurship and job creation are key to this, as are effective measures to eradicate forced labour, slavery and human trafficking.
With these targets in mind, the goal is to achieve full and productive employment, and decent work, for all women and men by 2030.
✔ 働きがいも経済成長も(日本語)
【動画リンク】SDGs 8 働きがいも経済成長も (YouTube)
【スクリプト】
2008年から2009年にかけての経済危機の影響が長引く中、極度の貧困の下で暮らす労働者の数は過去25年の間で劇的に減少しました。
開発途上国では、中間層が雇用全体の34%以上を占めるようになりましたが、この割合は1991年から2015年までの間に、ほぼ3倍に増えています。
しかし、世界の経済が回復を続ける中、成長の減速や格差の拡大が見られ、雇用は労働力人口の成長に見合うペースで増加していません。
国際労働機関(ILO)によると、2015年の失業者は2億400万人を超えています。
持続可能な開発目標(SDGs)は、生産性の向上と技術革新により、持続的な経済成長を促進することを狙いとしています。
これを達成するためには、起業と雇用創出を促す政策の推進だけでなく、強制労働や奴隷制、人身取引を根絶するための効果的な措置を取ることも重要です。
こうしたターゲットに留意しつつ、2030年までにすべての女性と男性の完全かつ生産的な雇用とディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を達成することを目標としています。
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関連記事:
- 【通訳練習教材】What are the SDGs? / SDGsとは(英語&日本語動画)
- 2030年に向けたみんなの目標SDGs (持続可能な開発目標)
- オンライン通訳講座個人レッスンの内容紹介(使用教材、SDGsを使う理由)
- オンライン通訳講座個人レッスンの内容紹介(演習内容、課題、復習の仕方、その目的等々)
【About Erika】
職業:英語同時通訳者(個人/フリーランス)
現住所:札幌市
留学歴:3年(アメリカ)
特技:柔道(初段)、ピアノ(弾き語り)
趣味:料理、お菓子作り、食器屋巡り